吉野さん

『深川吉野屋』は昭和23年に祖父が創業し、私で3代目になる歴史ある船宿です。創業以来、“お客様に愛される場所でありたい”という気持ちで常連の方々をはじめ、たくさんのお客様に釣りと屋形船での宴会を楽しんでいただいています。また、私たちが拠点とする東京湾について少しご説明しておくと、東京湾の海は濁っているので“汚れている”と勘違いされる方も多いですが、その濁りはプランクトンによるもの。実際のところ東京の魚は栄養が豊富で世界的に見ても指折りの美味しさなんですよ！

それでは、『深川吉野屋』について、少しずつご紹介していきますね。

• 木場から出て、アジやイナダなど東京湾のさまざまな魚の釣りスポットへご案内します。釣った魚は夕食として食べることもできるので、お子様の「食育」にも役立ちます♪
• こちらは、千葉と神奈川の間にある中ノ瀬でのルアー釣りの様子です。朝7～8時ごろ出航し、14時過ぎまで釣りを楽しんでいただきます。ちなみに、ここはイナダの釣りスポットになります。
• 続いて屋形船ですね。これは木場からほど近い大横川から見た4月の桜です。お花見のシーズンには、こうしてお昼からのんびりと屋形船でお花見を楽しまれるお客様がたくさんいらっしゃいます。
• 屋形船は宴会にうってつけです♪屋形船の宴会では、豊洲から仕入れた新鮮な海の幸をお楽しみいただけます！
• 宴会を楽しみつつ、抜群の夜景スポットへご案内できるのも木場の船宿ならでは。東京スカイツリーを一望できる場所で、美味しいお酒とお食事を堪能してみてください！
• 写真は1949年当時のハゼ釣りの様子です。祖父の代から、東京はこの東京湾へと続く川とともに発展してきました。木場という都心から湾へ出られる好立地を活かして、これからもこの事業を今までと変わらず続けていきたいですね。

長くこの仕事をしていると、お客様との間にたくさんの思い出が生まれてきます。『深川吉野屋』で釣りを始めたお客様がどんどんスキルアップしていき、いつの間にかご結婚されて、お子様と一緒にご来店されたことがありました。また、屋形船の宴会で出会ってカップルになったお二人が、披露宴を同じ屋形船で挙げてくださったこともあります。今では『深川吉野屋』が木場で唯一の船宿となりましたが、東京全体を見れば、まだまだたくさんの船宿があります。そんな中でも「また吉野屋に行きたいな」と思っていただけるような場所であり続けるために、“仕事への情熱は誰にも負けないぞ”という気持ちで取り組み続けています。ぜひ一度『深川吉野屋』に遊びにいらしてくださいね！

幼いころから好きだった「船」を仕事に

子どものころから船が好きで、友だちの家の仕事手伝いで船に乗り、釣りを楽しんだりしていました。もともとは運送業の仕事をしていましたが、5年前に“好きなことを仕事にしたい”と感じ、一念発起して『深川吉野屋』に入社して今にいたります。

お客様の笑顔を見るために

現在は釣り船、屋形船両方の船長を担当していますが、やはり“お客様に喜んでいただく”ことが一番のやりがいですね。釣り船であれば、お客様が魚を釣った時、屋形船ならば「今日はありがとう。楽しかったよ」「また来るね」と声をかけていただく時の、それぞれの笑顔を見ることができた時は本当に嬉しいですね。

業界で知らない人のいない「船長」へ

まだまだ修行中ですが、いずれは「高橋さんが船長なら大丈夫だ」と、釣り好きなら知らない人がいないような頼れる船長になりたいですね。そのためにも、お客様の釣りがうまくいかなかった日は“なぜ今日は釣っていただけなかったのか”と、潮の流れや魚群探知機の見方の復習をしています。また、やはり私自身釣りが好きなので、休日はほかの船宿へ釣りに出かけて、ほかの船長の操船の仕方や、どうやってお客様に指示しているかなどを勉強したりもしています。

人の温かさに触れられる街「木場」

『深川吉野屋』に入社して木場に越してきましたが、住んでいる方々の人柄の良さを感じます。朝はお散歩中の方から「おはよう」と声をかけていただいたり、釣りの帰りの船では川沿いから子どもたちが手を振ってくれたりして、ほっこりしますね♪また、屋形船では特に感じますが、1、2年ぶりにいらっしゃるお客様が私のことを覚えてくださっていて、ある時は90歳を越えるお客様が「来年はもう来られないかもしれないなぁ……」と話していた翌年、元気にご来店された時などは本当に嬉しいです。

釣り船も屋形船も、皆様が笑顔になれるような接客を目指していきます。ぜひ『深川吉野屋』へご来店ください！